2007年5月27日日曜日

プロフェッショナル

一日中、雑誌やらマンガやら小説やらを眺めて過ごす。

昔から好きな料理漫画「ザ・シェフ」(傑作選 炎の料理人編、日本文芸社)を読む。

「味沢は料理の天才だから勝てっこない」と、コックとしての自分の才能に見切りをつけつつある谷岡。
そんな谷岡を、鯨岡が「ちょっと一緒に来たまえ」と、厨房へ連れていく。厨房の入り口から中を覗くと、味沢がフライパンを振っている。

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「谷岡君、キミなら彼が何をやっているかわかるだろう? 塩入りのフライパンを振り、残り物の野菜の皮をむき、塩・砂糖・酢・ビールを舐める。すべて料理人としての基本的な訓練だ」
「・・・・・・」
「彼は仕事の後、必ずこのトレーニングをやってから帰るんだよ」
「・・・・・・」
「天才肌で練習嫌いといわれていた長嶋が真夜中に何千回も素振りをしていたのは有名な話だし、『天才』と呼ばれた少年がゴロゴロしている将棋界では、沢山努力をした天才が名人になり、少し努力をした天才が名人の挑戦者になれるといわれているんだ」
「・・・・・・」
「使い古された表現だが、トーマス・エジソンの『発明は1%の霊感と99%の発汗』という言葉をもう少しじっくり考えてみたらどうかな?」
「つまり・・・、僕でも努力次第で『99%の天才』になれるわけですね」
「味沢君だって100%の天才じゃない。左腕に大きなハンデをもっているからね。だからこそ、ああやってトレーニングを欠かさないようにしてるんだ」
「・・・・・・」
「『すぐれた料理は芸術であり、すべての芸術は忍耐である』。フランスが生んだ天才料理人ポール・ボキューズの言葉だよ」

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よし、オレも電卓を毎日叩くとしよう。